このシリーズは私の父母が暮らす家の隣の空き地で、これから私たち夫婦が家を建てるであろう場所を舞台として実際に穴を掘り、妻を埋めて撮影をしました。 背景の生け垣や外壁のライン、被写体との距離や撮影時間帯に気をつけ、体の線が美しくなるように撮影をしています。 このシリーズでは”夫婦とは、家族になるとは何なのか”ということをテーマとしています。 全く異なる環境・場所で育った者たちが、”結婚をする”ということを経て夫婦となり新しい生活が始まります。 この世界には数多の夫婦がおり、一つとして同じものなどはなく、それぞれに異なった形や習慣が存在しています。 そこには、普通とか常識なんていうものはありません。 好きだから結婚をし、嫌いになると別れる。 運命みたいなもので結ばれるのが夫婦という関係なのでしょうか。 それともその様なうつろう感情、偶然や奇跡など超越した関係であるのでしょうか。 ある時まで、私は自らの人生において“結婚をする”ということを一切考えてはいませんでした。 生涯を一人で終えようと決めていた私が結婚をしたのは、彼女に出逢えたから。 私以上に風変わりな人間で、海のように途方もなく深い懐でちっぽけな私を包み込んでくれました。 写真を通して出逢った私たちは、二人で作品を作るということをこのシリーズで初めて形にしました。 私はなぜこの人と出会い夫婦になったのか。 果たして私たちは二人でどこまでやれるのか。 これからどんな関係になっていくのか。 私たち夫婦の出口のない試みです。 夫婦とは、家族になるとは何なのか。私にはまだその答えはわかりません。 私たちが将来家を建てるであろうこの場所で、”夫婦という関係”に骨を埋める。 これは妻との記録であり、二人の覚悟を表現しています。 ※画像合成などは一切使わずに撮影し制作を行っています。 _
Resume 1983年、山形県生まれ、兵庫県育ち。関西在住。 日本写真映像専門学校卒業、奨励賞受賞。 自然に囲まれた環境で、思う存分に野山を駆け回り野生的に幼少期を過ごす。 幼少期より筆を持ち書を嗜み、また絵を描く事が好きで高校卒業と同時に画家を目指し約2年にわたり絵画放浪の旅に。 その後システムインテグレーターにて営業・システムエンジニアとして業務に従事した後、Web系企業へと移籍をし管理職に携る傍ら、写真活動を開始する。 仕事との両立をしながら写真専門学校に通い写真について本格的に学び、10数年以上の社会人経験を経てフィールドを本格的に写真へと移行する。 2017年から自らの見聞を広め創作活動の幅を広げるべく夫婦でアジア各国を回りながら写真撮影を行う。 国内外での受賞歴多数。現在は写真のもつ力を信じ、日々創作活動を行い国内外で幅広く活動している。 【Awards】 2018 IPA (International Photography Award):3rd Place/2018 FAPA (Fine Art Photography Awards):2nd Place/2017 TIFA (Tokyo International Foto Awards):Gold&Silver/2017 IPA (International Photography Award):1st Place&2nd Place/2017 Px3 (Prix de la Photographie, Paris):Silver&Bronze/2017 MIFA (Moscow International Foto Awards):Bronze/2016 ONAEBA vol.19:Reviewer Award・・・and more 【Group Exhibition】 芦屋写真展 (兵庫県立美術館分館 原田の森ギャラリー, 神戸)/TIFA Winners Exhibition (ICA Space, 東京)/Px3 Winners Exhibition (Espace Beaurepaire, パリ)/MIFA Exhibition Minsk (Artel Gallery Minsk, ベラルーシ)/夢の先プロジェクト展 (72Gallery, 東京)/御苗場 vol.19 (KIITO, 神戸)・・・and more 【 Solo Exhibition】 2015.9.17(木)~23(水) 個展 「きせき、」 (ビエンナーレ神戸2015) 【Publications】 El Pais Semanal/IPA Book 2018/IPA Book 2017/PX3 Book 2017/PhatPhoto Vol.97 Website http://www.ichio-usui.com |